文章がうまくなりたい!
仕事柄、長短さまざまな文章を作成していますが、いまひとつ、いや、ふたつ、みっつといった感じが否めない私の文章。その殻をなんとか破りたいと思っていたところ、「ライター養成講座」の記事を目にしました。その記事の響きから文章がうまくなるかもしれないという勝手な妄想が膨らみ、受講に踏み切ることにしました。
全4回で構成された講座は、毎回異なる媒体の文章に携わる人(新聞社・ママさんライター・ローカルメディア・デザイン事務所)が講師を務め、新聞や雑誌などが完成に至るまでの過程や、どんな苦労があるのか、仕事の受注方法や金銭的な話などを教えていただきました。
受講者は、私のようにスキルアップを目的としている人もいれば、これから本格的に「ライター」として働き始めようとする人、すでに自分なりに活動している人などさまざまでしたが、その人たちとの会話のなかで感じた文章に対する覚悟や熱量に、私の気持ちも触発されました。
本やインターネットを使って一人で勉強するのもいいですが、みんなで一緒に学ぶことで知識以外の部分も学べるところが、この「大学」のいいところだと感じました。
ところで、私の文章はこの講座を受講してうまくなったのでしょうか。
残念ながら答えはノーです。けれど今までより前向きに「書く」ことに向き合えるようになりました。うまく書けないのは、私の文章に「のびしろ」がある証拠。こののびしろがそのままで終わるのか、成長するのかを左右するのは、講師の方々が話していた以下の3つをどれだけ実践できるかということにかかるのでしょう。
① 取材やインタビューの大切さ
② 自分の書く文章の向こう側にいる人のことを考えること
③ 普段の積み重ね
「やってみたい」を支えてくれる環境
今回の講座を受講したことで、新たな世界に一歩踏み出せたように思います。現にこうして下手ながらも、多くの人に見られる場に文章を掲載することができました。できない理由を探すことに秀でている私にとって、この一歩は大きな一歩です。
受講者から受けた刺激に加え、「まずはやってみましょう」という講師の方々の言葉があり、何より私にとって心強かったのが、大館学び大学のサポート体制でした。
これまでなら「自分なんかがそんなことできるはずがない」「本当にこの文章で大丈夫なのか」と、不安が募って結局やらずに諦めてしまっていたことでしょう。しかし今回、書いた文章に対してアドバイスをもらえるということで、キーボードを打ち始めることができました。
「やってみよう」という言葉に加えて、「やってみたい」を支えてくれる環境が整っていることは、新たな世界に踏み出すハードルを一段も二段も下げてくれました。
学びを実践へ、そして力に
京都大学名誉教授である永田和宏(ながたかずひろ)氏の『知の体力』という本に、学問とはどういうものかを示した一節があるのでご紹介します。
“学問は、「学び、かつ問うこと」と私は解釈している。学び、それを受け容れるという一方
的な「知」の流れではなく、入ってきた「知」をいったん堰き止めて、それが正しいのか問
い直す、どのような意味を、あるいは価値を持っているのか問い直す。”
永田和宏『知の体力』(新潮社・2018年・44頁)
少し意味合いは異なりますが、今回の学びを自分の力にしていくために、自問自答を繰り返していこうと思います。
とはいえ、まだまだ「書く」ことへの不安はあります。ただ、それも成長過程の一つと思い、楽しみながら「書く」ことを続けていきたいと思います。