心打つ振舞いで、自他への思いやりと幸せを芽ぐむ生徒の育成

本校は3校統合により平成27年に開校しました。令和2年度、本校の存在価値は「思いやり」と「幸せ」を自他に内在させる中学生を育てることである、との認識で、教育目標の大きな転換を図りました。各小学校でのふるさとキャリア教育によって育まれた地域への愛や誇りを隣接する地域にまで広げ、更に自分のこれからの生き方に結び付けて、この地域の将来に働き掛ける気概を育てることこそが「北陽地区は一つ」という言葉を実現することに他なりません。
「振舞い」とは、生徒の行動の在り様ですが、単に身体の動きのみを示すものではありません。表情、発する言葉、衣服の着こなしなど他者の五感に働き掛ける自己管理の姿と、その姿を決定する過程における判断の視点や考え方を含んでいます。「他者」とは、生徒が所属するこの北陽地区の住民であり、生徒が捉える「ふるさと」で生きる全ての人々のことです。「振舞い」を用いた本質的な意味は、本校における指導の成果を、他者の評価する「具体的な生徒の姿」すなわち「振舞い」として表れるようにする覚悟を示すものです。

ふるさとキャリア教育の特徴

本校のふるさとキャリア教育のねらいは「地域とともに学び、地域とともに創る未来を語る生徒の育成」です。全教育活動（各教科、学校行事、諸活動、地域との交流）を通して、人間的基礎力、大館市民基礎力、大館市民実践力の育成を目指します。具体的には、①あいさつを「明るく さわやかに 心から 笑顔で」 ②創造する未来への思いについて、自らの言葉を紡いで語る表現力 ③地域のリーダーとしての気概「助けられる人から助ける人へ」を身に付ける です。学校で学んだことや体験したことをもとに、自分にできることは何かを問い、地域において実行・実践していく北陽中生を育てます。
実際に、地域のまちづくり協議会の理事会への参加、災害時ボランティアへの参加、といった行動に、本校のふるさとキャリア教育の成果が現れています。

おおだて型学力の育成・学力向上への取組

〈授業づくり、研究体制〉
・「学美」生徒と教師で創り上げる質の高い学び
・「学美ツアー」教師同士、生徒同士による「学美」の参観と検証（授業だけでなく全教育活動）
・生徒と教師が共につくる「学習課題」や「めあて」、全員挙手からの生徒同士によるつなぎ合い

〈学力向上〉
・PUN（パワーアップノート）、PUD（パワーアップドリル）、PUT（パワーアップタイム）による主体的に学びに向かう姿勢と自己決定力の向上、基礎・基本の徹底、応用力の伸長

〈授業マイスター等〉
・阿部里奈子（理科）現在は教育専門監、文部科学大臣表彰優秀教員
・児玉裕美子（外国語）昨年度教育専門監
・田村環（数学）

学校のPRポイント・長所

〈防災教育〉
・夏と冬の地域防災活動。その計画立案を行う地域防災会議。それぞれの地区ごとに町内会長さんのアドバイスをいただきながら企画
・炊き出し訓練、地域との交流を兼ねた「なべっこ」
・「顔の見えるお付き合い」地区運動会や地区行事への積極的な参加、福祉施設や公民館での太鼓演奏や合唱披露
・大雨被害など有事の際の、自主的な「災害ボランティア」への参加

〈その他〉
・生徒の手による校則見直し
・FMラジオおおだてのラジオパーソナリティー。生徒の自主企画によるラジオ番組制作
・沖縄件嘉手納町など、他県、他校との積極的な交流と教育活動公開

教育視察に訪れた人の感想

・学校が地域と協力して生徒を育てるだけでなく、大館市も活気づけることにつながる、ということに感銘を受けた。実際の授業では、教員の説明や指示が少なく、そのぶん生徒が考え活動している時間が多かった。様々な教育活動に全教職員で取り組んでいるということを強く感じた（大切だが実行することは難しいこと）。何よりも、先生方も生徒も「温かい」。あいさつも言葉も、一緒にいてとてもうれしくなった。
・何よりも授業中の教室から聞こえてくる生徒の発言の質と量に驚いた。特に3年生では、生徒がお互いの発言をつなげ、深めていく姿を見ることができた。校歌の「伸びゆく杉は天を指し」という歌詞と北陽中の姿が重なって見え、未来へ向かって生徒が力強く育っていることを強く感じた。
・まさに「真剣」に授業に取り組んでいる学校だった。生徒の目線、姿勢、発言の仕方、聞き方、反応の仕方、教師の授業づくりや子どもへの寄り添い方、すべてから、北陽中が大切にしている「学美」を感じることができた。北陽中では若い先生から経験のある先生までが一体となって、理想の授業を1時間1時間ていねいに積み重ねられていると感じた。この理想を追求する中で、生徒も教師も皆が楽しんでいる雰囲気があり、さらに感動した。

学校を表す4つのキーワード