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講座レポート2022.01.07

【講座レポート】秋田の職種図鑑 アニメーターという仕事を知ろう!

大館学び大学
ライター:大館学び大学

アニメーター業界の裏側まで語ります

株式会社つむぎ秋田Lab

国内のみならず、世界中でも愛されている日本のアニメーション文化。
テレビアニメからアニメ映画に至るまで、その需要は年々高まっているように感じます。
さらにスマートフォンでも気軽に鑑賞できるようになったことで、アニメがより一層身近な存在になったという方も多いのではないでしょうか。

今回は2021年12月18日(土)に開催された『【秋田の職種図鑑】アニメーターという仕事を知ろう!』の様子をレポートしていきますよ!

観ているだけでは分からない、アニメ業界の裏側を知るきっかけがここにありました。

県内唯一のアニメーションスタジオ

講座参加者の全体図

講師を務めてくださったのは、『株式会社つむぎ秋田アニメLab(以下、つむぎ秋田アニメLab)』の秋田スタジオマネージャーを担当されている桑原 智也(くわはら ともや)さん。
そのほか、現役若手アニメーターの3名も同行してくださいました。

秋田県内で唯一のアニメーション制作会社である、つむぎ秋田アニメLab。
参加者の中には中学生の姿もあり、未来への期待に胸を膨らませながら話に聞き入っていました。

アニメーターって、何するの…?

アニメの作業風景

その名前からイメージできるように、アニメーターとはアニメに使用する絵を描く人のことをいいます。
しかし、実際に何をしているのかと聞かれると未知の世界ですよね。

桑原さんの説明と共に、スライドに映し出される制作現場や作業風景を真剣に見ているみなさんの様子がひしひしと伝わってきました。
(作業には専用のペンで直接絵を描き込むことができる、液晶タブレットを使用しているそうですよ!)

アニメの制作現場

また、絵柄や感性で自分の世界観を表現する『イラストレーター』や、オリジナルストーリーを創り出す『漫画家』との違いも、はっきりと教えてくださいました。

「絵をつくる点では共通しているけれど、媒体や働き方が異なります」
その上で『アニメーター』とは、映像や演技をつくる仕事であると話されていたことが印象的でした。

どれも欠かすことのできない、3つの制作工程

アニメーションの制作工程

アニメーションの制作工程には、
1. 動きのキーとなる絵を描きおこす『ラフ画(原画)』
2. キーの絵と絵の間を補完する『動画』
3. 色付けや映像となる素材の『仕上げ』といった3つの工程があります。

中でも重要なのが『ラフ画(原画)』で、演技やカメラワークなど、依頼された細かな指示に従って描く必要があるため、経験や実力が必須なのだそう。

制作工程の動画

それらについて、動画を流しながら説明していただきました。

注文通りの絵をつくることが重要なアニメーターという仕事。
つむぎ秋田アニメLabでは、複数の会社から委託した作品(カット)を納品しているため、全体の絵柄に統一感がなければ何度も直しの作業を行うそうです。

気になるアニメ制作の途中

アニメ制作の途中について

アニメーションの制作工程を学んだあとは、その途中で行われる作業について話が進んでいきます。

ここでは、過去に使用した原画やキャラクターデザインを、動画・仕上げ・撮影・3D背景・手書きのサンプルと共に、持参していただいた実物を交えて紹介していただきました。

アニメ制作の途中について

また、講義中は質問を随時受けつけていたこともあり、参加者も一体となって進んでいきました。

様々な質問が飛び交う中、「どうしたら上手に絵を描けるようになりますか?」という質問に対して、アニメーターを目指すのであれば、「模写よりもポーズ集や写真集を参考にして、写実的に描くことをおすすめします」といった実用的なアドバイスもありましたよ!

現役若手アニメーターの声

現役若手アニメーターへの質疑応答

そのほか、現役若手アニメーターに聞きたい質問も多く寄せられ、アニメーターの1日の流れや仕事のモチベーションなど、リアルな声を聞くこともできました。

参加者のみなさん

(フレッシュな生の声に、みなさん「へぇ…!」と驚いたり、頷いていました!)

アニメーターを志す人へ

株式会社つむぎ秋田アニメLabの秋田スタジオマネージャー 桑原智也さん

つむぎ秋田アニメLabではスタッフを募集するだけではなく、若手アニメーターを育成するために、画力向上やキャリアアップを目的としたプログラム『アニメーター予備校』も開催しています。

「絵は才能ではなく、技術」
「自分で描く訓練(努力)を重ねる」

アニメーターを志す人はもちろん、そうではない人にも通じる言葉で、思わず気が引き締まります。

感情が動くような、リアルな体験を

「アニメーターは絵を描く仕事ではなく、演技(ドラマ)をつくるもの」
そのためには、感情が動くようなリアルな体験をたくさんすることが何よりも大切であると仰っていました。

楽しくてワクワクするようなアニメの側面ではなく、敢えてその裏側で行われている“現実的な面”について詳しく話してくださった桑原さん。

参加者の真剣な眼差しを通して、今まで知ることのなかったアニメーターという仕事の全体像を知ることができたのではないかと感じる講座でした。
(ひとまずアニメを見る際は、いつもより背筋を伸ばして観ようと思います…!)

今後も様々な講座を用意しておりますので、ご期待ください!
また次のレポートでお会いしましょう!
ではでは!