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講座レポート2024.10.08

【講座レポート】パティシエから直接学べる!トリュフチョコ講座

大館学び大学
ライター:大館学び大学

いつもとはひと味違う、特別な一粒を

暦の上では春がやってくる2月は、節分や立春、針供養など、何かと行事やイベントが多い月でもあります。
それでもやっぱり2月と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、バレンタインデーという方が多いのではないでしょうか。

今回は2022年2月5日(土)に開催された『【パティシエから直接学べる!】トリュフチョコ講座』の様子をレポートしていきますよ!

これまで数々のオリジナル講座を開催してきた『大館学び大学キャンパス』の会場を飛び出して『大館市田代いきいきふれあいセンターサンピア』で行われた当講座。
迫りくるバレンタインデーに向けて、ここでしか聞けないコツを教わりながら作るチョコレートはいつもよりちょっぴり特別な贈り物に仕上がりました。

パティシエの技が光ります

講師を務めたのは、大館市地域おこし協力隊の藤田雄佑(ふじたゆうすけ)さん。
藤田さんは地域おこし協力隊として奮闘する一方で、パティシエとしても幅広く活躍されています。

今回の講座では、バレンタインデーの定番といってもいいくらい人気のあるトリュフチョコを作っていくのですが、その前に藤田さんによるテンパリング(ツヤがあり口溶けのよいチョコレートに仕上げるための温度調整)の技を披露していただきました。

ドライヤーを使って型を温め、そこにあらかじめ湯煎にかけて溶かしておいたチョコレートを流し入れていきます。
全体をならして空気を抜いた後は、型をひっくり返して中のチョコレートを手早く落とし、器となる外側だけが型に残る状態にしたら冷蔵庫に入れます。

テンパリングのコツを話しながら工程を進めていく藤田さんの慣れた手捌きに、みなさん前のめりになって見入っていましたよ。

いよいよ本番、まずはお手本から

テンパリングの技を目にした後は、いよいよトリュフ作りに入っていきます。
まずは下準備として、チョコレートを湯煎にかけて溶かしておきます。
チョコレートを焦がさないためにも、45〜50℃の温度帯で溶かすのがポイントなのだとか。

次に生クリームとバターを入れた手鍋を沸騰させ、それらを先ほど溶かしたチョコレートの中へ数回に分けて加えていきます。
生クリームだけでも問題ないのですが、今回は口溶けを良くするためにバターも加えているそうです。

ゴムベラを使って力強く混ぜるのがコツであると話す藤田さんですが、2回目あたりでボウル内の様子が変化し始めます。

これはチョコレートの油分と生クリームの水分が分離して、油が浮いてしまっている状態なのだそう。
見た目からも分かるように全体がボソボソとしているため、この状態で口にしても舌触りや口溶けは良くないそうです。

それでも3回、4回と加えながらよく混ぜていくと、4回目あたりで乳化(油分と水分がよく混ざり合った状態)します。
最後の5回目で手鍋に入ったものを全て加えてムラなく混ぜていくと、上記画像のようにツヤツヤ、トロトロのガナッシュへと見事に変わりました。

乳化に至るまでのプロセスを間近で見ながら、みなさん「おお〜!」と感心している様子が伝わってきました。

絞り方にもコツはあります

ガナッシュを絞っている様子

ここから先ほど作ったガナッシュをひと口大に絞る作業に入っていくのですが、ガナッシュを上手く袋に入れる方法、また絞り方についてのアドバイスがありました。
ちなみに絞り口を横に向けると、上手に絞れるみたいですよ!

絞りきった後は、冷蔵庫に入れてしっかり固まるまで冷やします。
みなさん藤田さんのアドバイスをメモしながらも、均一かつ丁寧に絞られていくガナッシュに目が釘付けでした。

さぁ、待ちに待った本番です

参加者ひとりずつに配られたレシピと藤田さんのアドバイスを参考にしながら、みなさんトリュフチョコを作り始めていきます。
ちょっとしたハプニングに小さな悲鳴を上げながらも、少しずつガナッシュを完成させていくみなさん。
「乳化しました!」という嬉しそうな声と共に、会場はチョコレートのいい匂いで包まれていました。

講師の藤田雄佑さんと参加者

また、ちょっぴり大人向けの味に仕上げたい方のために、藤田さんが用意していたブランデーを入れながら参加者と交流する場面も見受けられ、講座は和気あいあいとした雰囲気で進んでいましたよ。

苦戦しつつも、やり遂げます

ガナッシュが完成した方から、袋に詰めて絞り出す工程に移っていく参加者のみなさん。
思っていたより緩くなったガナッシュに苦戦しながらも、会場を見回る藤田さんのアドバイスを受けながら、みなさん試行錯誤して頑張ります。

ここで一度ガナッシュを冷蔵庫に入れて冷やし、絞りやすくなるまで待ちました。

待っている間に、先ほどの続きともう一品

みなさんのガナッシュが固まるまでの間、藤田さんが最初にテンパリングして冷やし固めていたチョコレートの器に、湯煎にかけていたチョコレートを絞っていきます。
手早く均一に絞り出す藤田さんの技に、思わず「さすがだなぁ」と声を漏らす参加者もいました。

しかしこれだけでは終わらず「せっかくなのでもう一品作っちゃいましょう」と、藤田さんによるアーモンドショコラ作りが始まります。
砂糖と水を煮詰めたシロップにアーモンドを入れ、焦がさないように気をつけながら全体をかき混ぜていきます。

瞬く間に漂うキャラメルの甘い匂いに、みなさん笑みがこぼれていました。

キャラメリゼした出来立てのアーモンドをバットに移し、粗熱がとれるまで冷ましておきます。
味見を勧める藤田さんから、一粒ずつ受け取るみなさん。
口に入れた瞬間に「おいしい!」の歓声を上げていました。

ガナッシュ絞りに再挑戦!

そうこうしている間に、冷蔵庫に入れていたガナッシュが丁度いい塩梅に固まっていました。
今度こそは、とみなさん気合いを入れて絞り出していましたが、とてもきれいに仕上がっていましたよ。
もう一度冷蔵庫に入れて、固まるまで待ちます。

固めたガナッシュを丸めていく講師の藤田雄佑さん

初めにお手本として作っていた藤田さんのガナッシュも程よく固まり、一つずつ丸めてココアパウダーをまぶしていきます。
今回はビニール手袋を使用していますが、自分の手にぴったりとはまるゴム手袋を使うのがオススメみたいですよ。

ちなみにトリュフ作りには欠かせない『ガナッシュ』ですが、古いフランス語で「ばかやろう」「のろま」を意味する言葉みたいです。
厨房見習いが誤ってショコラの鍋に生クリームをこぼし入れてしまったところ、シェフが「ガナッシュ(うすのろ)!」 と叫んだことが由来だそうで、試しにシェフが味見するとおいしかったことから『ガナッシュ』が生まれたそうです。

そんなパティシエ業界ならではの豆知識を話している間に、藤田さんのお手本トリュフチョコが完成しました!

丸めて、固めて、完成まであと少し

冷蔵庫で冷やしていたみなさんのガナッシュも程よく固まり、一つずつ丸めてココアパウダーをまぶしていきます。
「上手く絞り出せなくても、フォークを使って手にとれば問題ありません」と話す藤田さんの言葉通り、みなさんきれいに成形していました。

ココアパウダーできれいにお化粧を施したら、冷蔵庫に入れて最後の仕上げで寝かせます。
ゴールはもう目の前です!

藤田さんの2品、完成しました

アーモンドショコラの仕上げをする様子

先ほどキャラメリゼしたアーモンドの粗熱もとれて、そこにココアパウダーをたっぷりまぶして混ぜていきます。
ほとんど即興にも近い『アーモンドショコラ』作りでしたが、味見をしてみるとやっぱりみなさん「おいしい!」と感動している様子でした。

併せて冷蔵庫で固めていたテンパリングチョコも仕上げ段階に入り、蓋の役目を果たす最後のチョコレートを流し入れ、専用のヘラで余分なチョコレートをそぎ落とした後、冷蔵庫で冷やし固めます。

最初と同様、チョコレートを出しやすいようにドライヤーを当てて、型をひっくり返すときれいなテンパリングチョコレートが完成しました。
こちらもみなさん味見をして、テンパリングならではのなめらかさと口溶けを堪能していましたよ!

ついに完成!ラッピングも忘れずに

ガナッシュがなかなか固まらなかったり、上手に絞り出せなかったりと、ちょっとしたハプニングはありましたが、これも手作りならではの醍醐味ですよね。
藤田さんが用意してくださったラッピング容器に、完成したトリュフチョコをみなさん嬉しそうな表情で入れている様子がとても印象的でした。

みなさんの想いが届きますように

最後は藤田さんと参加者で記念写真を撮りました。
バレンタインデーに合わせて開催した当講座でしたが、一粒一粒に想いを込めて作ったトリュフチョコは、贈る側はもちろん、受け取る側もきっと笑顔になるはず。
チョコレートをきっかけに、素敵なシーンが誕生することを祈ってます。

ではでは、また次の記事でお会いしましょう!