TOPへ

講座レポート2024.10.08

【薬剤師と学ぶ】美容と健康のセルフマネジメント

ふくだみのり
ライター:ふくだみのり

正しく身につけたい「糖化」の知識

ヘルシーな食生活

みなさんは「糖化」という言葉を知っていますか?
なんとなく知っているという方も、そうではないという方にも、ぜひ知っておいてほしいこの言葉。

今回は2022年6月25日(土)に開催された『【薬剤師と学ぶ】美容と健康のセルフマネジメント』の様子をレポートしていきますよ!

美容やアンチエイジング、病気予防などに欠かせない糖化の知識を学びながら、実際に糖化年齢も測定するなど、今後の健康管理に活かせる内容が盛りだくさんでした!

糖化とは、いわば体の焦げ

講師を務めたのは、有限会社クローバー薬局代表取締役の和田一良(わだかずよし)さん。
薬局と病院勤務を経て、1995(平成7)年にクローバー薬局を開設し、その後は「わかば薬局」「シオン薬局」「クローバー薬局片山店」を設立しました。
ほかにもライフワークとして、未病対策を通じて健康寿命のサポートにも取り組まれています。

当講座のテーマとなる糖化は、老化の三大要因である「酸化」「糖化」「炎症」のうちのひとつでもあります。
糖化とは、糖とタンパク質がくっついたものに熱が加わって焦げたもので、同じことが体内でも起こっているそうです。
ちなみに病気の90%以上は、糖化が起因しているという説もあるのだとか……!

和田さんはこれらの糖化の仕組みを、ホットケーキの焦げに例えて説明してくれました。

糖化が及ぼす身体へのリスク

糖化のリスクについて説明している様子

糖化について学んだあとは、糖化が身体に及ぼす影響について説明してくれました。
糖化したタンパク質は、時間の経過とともにAGEs(終末糖化産物)に姿を変えるといいます。
AGEsとは、糖化によって生成される最終的な悪玉物質で、一度蓄積されると簡単には体外へ排出されません。タンパク質のひとつであるコラーゲンが糖化されると、皮膚・骨・血管にAGEsが蓄積されます。

なかなか耳慣れないAGEsという言葉ですが、老化物質として認識していただければ問題ないと和田さんは話します。

糖化を予防する鍵は、血糖値?

糖化の予防策についてメモを取る受講者の様子

ここまで糖化とその影響について学んできましたが、できることなら糖化の予防方法を知って、今のうちから対策したいですよね。

血液中にブドウ糖が多いほどタンパク質と結びやすくなり、糖化が進むと和田さんは話します。
したがって糖化予防で重要なのは、血液中に含まれるブドウ糖の濃度、つまり血糖値に注目することだと言います。

その上で、ご飯などの炭水化物から食べ始めると血糖値が上がりやすいため、ベジファースト(食事の最初に野菜から食べること)を実践するなど、食事における具体的な対策をお話ししてくれました。

食後血糖値の急上昇や、高血糖状態が長く続くことを回避するのが、糖化予防において大切であるいうことがよく分かる場面でした!

実践したい、抗糖化生活!

抗糖化生活のメリットについて話す講師

先ほどはベジファーストを例にお話ししてくれた和田さんですが、血糖値を上げない食生活について、さらに例を挙げてくれました。

①適正な栄養バランスを
②朝食は抜かず、間食はしない
③よく噛んでゆっくり食べる
④GI値(食後血糖値の上昇を示す指標)の低い食品を取る
⑤甘いものや清涼飲料水を取りすぎない
⑥抗糖化食品を取り入れる

④の低GI値食品(主食)として挙げられるのは、玄米・全粒子パン・そばなどで、反対に高GI値食品(主食)では、白米・食パンなどが挙げられます。
また、⑥で挙げられている抗糖化食品の一例としては、ブロッコリースプラウト・タマネギ・マイタケ・桜エビなどがあるそうです。

また、食生活以外にも、生活習慣を見直すことで得られる糖化対策についても話してくれました!

抗糖化生活の実践で得られるメリット

抗糖化生活のメリットについて話す講師

血糖値を上げない食生活、つまり抗糖化生活を行うことによって、以下のメリットが得られるそうです。

①たるみやシワができにくい肌に
②しなやかで弾力のある血管の保持
③丈夫で骨折しにくい骨に
④脳の認知機能を維持

③の骨について説明する場面で、和田さんは「若いうちに骨の貯金をしてほしい」とつよく訴えかけていました。
骨は、カルシウムが60%を占めていて、残りの40%はコラーゲンでできています。
全てがカルシウムでできている訳ではないのですね!
骨の成分は老化とともに減少の一途を辿っていくため、特に若い女性には積極的にこの部分を意識してほしいと話していました。

ドキドキの、糖化年齢測定!

講座の後半では、AGEスキャナーという機器を使用して、肌と身体の糖化年齢測定を行いました。

あらかじめ手渡された用紙に、実年齢と測定した糖化年齢を記入していくのですが、肌・身体ともに、実年齢より高い数値が出た人はショックを受けている様子が伝わってきました。
(かくいう私もその中のひとりだったり……)

AGEスキャナーで糖化年齢を測定している様子

受講者全員の測定を終えたのち、和田さんは「数値の低かった人は、今回の結果に安心しないで維持に努めて、数値の高かった人は、食生活や生活習慣を見直してみましょう」と、今後の健康管理に役立ててほしいと話していました。

座学から実技まで、幅広く「糖化」について学ぶことができた当講座。
糖化によるAGEsの蓄積を防ぐには、食べ物を選ぶ目や食べ方のコツ、日々の生活習慣の見直しが重要であることがよく分かりました。

今回の講座をきっかけに、糖化を意識して今後の生活を送っていきたいですね。
それでは、また次の記事でお会いしましょう!