TOPへ

講座レポート2024.02.13

【近隣市町村から学ぶ地域活性化】北秋田市 トラ男から起業&プレゼンの極意

もも
ライター:もも

人の心を動かすプレゼンテーションの秘訣とは?

【近隣市町村から学ぶ地域活性化】北秋田市 トラ男から起業&プレゼンの極意

事業の魅力や自分の思いを伝え、相手の行動を促すために行う「プレゼンテーション」。皆さんは、プレゼンで自分の思い通りの効果を得られていますか?
「自分のアイディアの良さをうまく伝えられない」「心を打つプレゼンの方法がわからない」等の悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。

2024年1月25日に開催された「【近隣市町村から学ぶ地域活性化】北秋田市 トラ男から起業&プレゼンの極意」では、プレゼンをとことん探究し、事業に活用してきた講師から、とっておきの秘訣の数々を学びました!

起業家にとってプレゼン能力は欠かせないスキル

【近隣市町村から学ぶ地域活性化】北秋田市 トラ男から起業&プレゼンの極意

講師を務めたのは、北秋田市鷹巣出身の起業家、武田昌大さん。株式会社kedamaの代表取締役として、数々の地域活性化事業をプロデュースしてきた立役者です。

武田さんは、東京の大手ゲーム制作会社勤務を経て、「秋田を元気にしたい」という思いの元、起業。
以降、「秋田の若手農家集団 トラ男」や、地域活性の拠点としての役割を持つ飲食店「日本橋おむすびスタンドANDON」「お粥とお酒ANDONシモキタ」、築134年の茅葺き古民家を活用したコミュニティプラットフォーム「SHARE VILLAGE(シェアビレッジ)」など、ユニークな事業を多数生み出してきました。
2016年には、内閣府が運営する地域活性化伝道師にも選出されています。

これまで、ビジネスプランコンテストに3回出場、クラウドファンディングに7回挑戦し、その度にプレゼン能力が求められてきたという武田さん。
プレゼンテーションは起業家にとって必須のスキル」と話します。

人見知りの少年が「プレゼンモンスター」に!?

【近隣市町村から学ぶ地域活性化】北秋田市 トラ男から起業&プレゼンの極意

0から1を生み出すのが発明だとすれば、1を100にするのがプレゼンテーション。つまり、「発明(イノベーション)と披露(プレゼンテーション)はセット」と、武田さんは話します。

軽快な語り口でテンポ良く講座を進める武田さんですが、実は、子どもの頃は人見知りであがり症だったのだそうです。
立命館大学在学中に、パワーポイントを使ったプレゼンテーションに出会ったことで、「人見知りでも、資料をしっかり作り込めば話せる」と気付き、パワーポイントでの資料作りに力を入れるようになりました。

周囲から「プレゼンモンスター」と呼ばれるほど、プレゼンを活用してきた武田さん。多い時には一日に5回、ほぼ毎日プレゼンしていた時期もあるのだそうです。
2011年に起業してから作成したスライドの枚数は、通算で20万枚以上になるそうですが、パワーポイントだけが武器ではありません。
iPadや紙芝居(!)など、プレゼン相手や環境に合わせて、さまざまな方法でプレゼンを繰り広げてきたといいます。

実際にプレゼンによって企業から多額の支援を受けたり、プレゼン相手の心を動かしたエピソードも披露してくれました。
改めてプレゼンの重要さを感じるお話に、参加者たちも興味津々といった様子で聞き入ります。

プレゼンモンスターから学ぶ!効果的なプレゼンのコツ

【近隣市町村から学ぶ地域活性化】北秋田市 トラ男から起業&プレゼンの極意

では、良い結果が得られるようなプレゼンをするためには、どんなことに気を付けたらよいのでしょうか。

武田さん曰く、プレゼンを成功させるために大切なことは、次の3つなのだそうです。

①表現力(デザイン、パフォーマンス)
②構成力(3部構成、落語的マクラ)
③エンタメ力(感情の波、差異を意識する)

まずは ①表現力

スライドはテンプレートを使わずにオリジナリティを出す、視線誘導を意識する、文字をたくさん使わない、色をたくさん使わない等、デザインをする上で気を付けたいポイントを、順番に挙げてくれました。

確かに、武田さんのスライドを見てみると、バランスの良いシンプルな配色で、文字もかなり少なめ。文字に気を取られない分、スピーチがしっかりと頭に入ってきます。

パフォーマンスにおいては、わかりにくい言葉を使わない等、相手の思考が停止してしまわないように気を付けることが重要なのだそうです。

【近隣市町村から学ぶ地域活性化】北秋田市 トラ男から起業&プレゼンの極意

次に、構成力について。

プレゼンの構成において、論理的にまとめることはとても重要です。しかし、それだけでは人の心は動きません。
武田さんは、ハリウッド映画の構成や落語の話し方などを参考に、プレゼンにストーリー性を持たせているそうです。
特に、マクラ→本題→オチという流れで構成され、巧みな話術で人の心を掴む落語は、「究極のプレゼン」ともいえるもの。ぜひ参考にしてほしいと話していました。

【近隣市町村から学ぶ地域活性化】北秋田市 トラ男から起業&プレゼンの極意

最後は、エンタメ力

「人を動かすのは完璧なプレゼンではなく、プレゼンでワクワクさせられるかどうかが大切」と話し、テクニックの一つとして、「感情の波のはひふへほ」を意識して取り入れるという手法を教えてくれました。

<感情の波のはひふへほ>
・はっ(驚き)
・ひぃ(引く)
・ふっ(笑う)
・へぇ(納得)
・ほっ(安心)

この5つを意識して少しずつ取り入れることで、エンタメ性のあるプレゼンに仕上がるのだそうです。

効果的なプレゼンのコツについて、じっくり学んだ一時間。「ぜひ皆さんも明日からプレゼンモンスターになっていただければ」という言葉で、盛りだくさんの講座は終了となりました。

質疑応答タイムも盛り上がりました

【近隣市町村から学ぶ地域活性化】北秋田市 トラ男から起業&プレゼンの極意

講座の後は、じっくり30分時間を取っての質疑応答タイムです。
先の一時間で、武田さんの巧みな話術と、資料の見やすさ・わかりやすさにすっかり引き込まれた参加者たちから、次々に手が上がります。

【近隣市町村から学ぶ地域活性化】北秋田市 トラ男から起業&プレゼンの極意

「話したいことがたくさんある時に、わかりやすくまとめて伝えるには」「商品を買ってもらいたい時のポイントは」「スライドを作る時の配色のコツやオススメのフォントが知りたい」など、バラエティに富んだ質問に、武田さんが一つずつ丁寧に答えていきます。

中には、「企業から支援を受けることができた時は、具体的にどんなプレゼンをしたのか教えてほしい」という、かなり突っ込んだ質問も飛び出しました。

体感したプレゼンの効果を今後に生かす

【近隣市町村から学ぶ地域活性化】北秋田市 トラ男から起業&プレゼンの極意

丁寧に作り込まれたトークと、見やすいスライド資料。その場にいる全員の心をしっかりと掴む姿は、まさにプレゼンモンスター!
武田さんのプレゼンの効果を肌で感じながら学べる、良い体験となりました。
終始和気あいあいとした雰囲気の中、参加者の多くがメモを取り、楽しみながらも真剣に聞き入る姿が印象的でしたよ!

それでは、また大館学び大学の講座レポートでお会いしましょう!