今回の講座は、『とんぶりのお話とお料理紹介講座』と題し、とんぶり生産組合 組合長 本間均さんによるとんぶりの歴史や、とんぶりが出来るまでのお話と、陽気な母さんの店株式会社 代表取締役 野菜ソムリエの佐々木幹子さんによるとんぶり料理の紹介の2部構成です。
第1部
なんと、本間さん、かわいいとんぶり頭で登場しました!

本間さんは、とんぶり製造における門外不出とされてきた伝統技術を、後継者育成のために若手生産者に公開しており、後継者の加入、今のとんぶりの生産量の5倍を目指しています。
“大館とんぶり”は、平成29年(2017年)に法的地理制度の代表とも言える地理的表示保護制度(GI)に登録されました。
昔はとんぶりの生産過程を全て手作業でやっていたそうですが機械化が進み、経費が嵩むこともあり、平成2年には38件あった農家は、5件に減ってしまったそうです。努力のかいあり今年は3農家増え、全部で8農家となっています。
また、平成29年3月に縁あって「とんぶりの唄」をリリースし「とんぶり応援大使」となったふかわりょうさんとは現在も交流があるそうで、本間さんが着ていた服に「とんぶり兄弟」がついていました。

そしてなんといっても今年は、長年の経験を経て受け継がれてきた、先人たちの“大館のとんぶり製造技術”が、秋田初の国登録無形民俗文化財に登録されるというおめでたいことがありました。
とんぶりが徐々に知名度を上げる裏には、沢山の人の支えがあったのだなと実感しました。
そして、門外不出であったとんぶりの生産方法を、本間さんが丁寧に説明してくださいました。
説明後、刈り取ってからとんぶりができるまでの工程を動画で視聴。初めて見るとんぶりの生産方法を受講者の皆さんは真剣に視聴していました。
そして収穫し乾燥したホウキギの実を3日間かけて加工し、食用とんぶりにするには、良い清水が不可欠だということを知り、米代川流域で作られていたことに納得です。
とんぶりの生産はその年の環境によっても大きく変動があり、大豊作の年もあれば、大凶作の年もあり、普段は約10トンであったのが5分の1の2トンにまで減ってしまったこともあったようです。

それでも、本間さんは毎日のように出荷を繰り返していて、袋や真空パックでも出しています。とんぶりは年がら年中あるイメージとの声も聞かれましたが、早生種、中生種、晩生種の3種を上手に使い、1年通して生産しているそうです。
保存方法として、買った後冷凍で保存し、食べる際は水で流し解凍して、手ぬぐいで水切りをするとプチプチ感が損なわれないとアドバイス。
とんぶりを作る際に出るホウキギは、箒にも使用されているようで、活用の幅があるのが魅力の1つと感じました。利尿作用もあるとんぶりは、新しい農業としてさらに活用の幅が広がるのではとの話も。
種まきから、苗植え、刈り取りも含め、“大館とんぶり”はその名前の通り、どこでもない大館のもの。栄養素もあり、スーパーフードと言えます。本間さんは、自分がやっているうちには、2桁の農家が出来てほしいと話されました。
今回の講話を聞いて、加工所を直接見たいとの声も聞かれ、ぜひこれをきっかけに、とんぶりにさらに興味を持ち、大切な伝統技術を受け継いでくれる方が増えることを期待しています。
第2部
“大館とんぶり”が沢山の手間と時間をかけて作られていると分かったところで、続いて、陽気な母さんの店のオレンジ色のエプロンに身を包んだ佐々木さんが、とんぶり料理のレシピを紹介。

佐々木さんは令和7年4月より代表取締役に着任し、野菜ソムリエとして活躍。今回の講座では、計5品の料理を試食用としてご準備いただきました。佐々木さんは令和7年4月より代表取締役に着任し、野菜ソムリエとして活躍。今回の講座では、計5品の料理を試食用としてご準備いただきました。

これまでいろんな食べ方が紹介されているとんぶりですが、地元の食材、味も取り入れ、火を通さずに簡単にできる料理を紹介。
- 〈お品書き〉
- とんぶりおにぎり
- 中山そば 大館地大根・とんぶり・山の芋入
- レンコンの素揚げ とんぶりからしマヨネーズ添
- 長芋のステーキ とんぶりわさびマヨネーズ添
- 柿の白和え とんぶり和え
味付けをして炊いたご飯を握り、とんぶりの中に転がし、とんぶりをまわりにまぶした見た目も斬新なおにぎりや、大館の地大根や地元で採れる食材を使ったレシピや、カナッペのように載せて食べる方法、そして柿の白和えに合わせた今の時期におすすめなレシピもあり、地元の味を楽しめる陽気な母さんの店ならではのレシピがずらり。

試食の間に、受講者の方々がどのようにとんぶりを食べられているか聞いたところ、生の生姜をすったものと醤油ととんぶりを和えて、温かいご飯にかけて食べたり、生ハムにとんぶりとマヨネーズを和えたものを乗っけて食べることもおすすめだそう。《お手軽にパッと作ってパッと食べるのが一番美味しい》という言葉に講師も含め、沢山の方が賛同していました。
本間さんからも農家として、とんぶりをたくさん食べてほしいと話され、受講者の皆さんが熱心に耳をかたむけていた姿が印象的でした。

とんぶりは脇役であるけれども、アレンジの幅がとても広いため、主役にもなり得るとても魅力的な大館の食材です。
とんぶりの味はたんぱくでクセがないため、何にでも合います。今回、新しいレシピを探しに来たという方もおり、何事もやってみることが大切。
佐々木さん考案のレシピを参考に、ぜひご自身でアレンジを楽しんでみてはいかがでしょうか? 新しいとんぶりの魅力を2時間にぎゅっと詰め込んだ講座が終わり、もっと沢山の人にとんぶりが広まってほしいと感じました。
自分なりにアレンジをして、とんぶりをたくさん食べよう!
⭐️受講者からの感想
・聞かなきゃわからないことばかり、、だった。後世に残したい食文化の一つである。ホウキもほしいと思った。
・とんぶり畑にお手伝いに行っていてもとんぶりの事を何も知らずに居たことに気づきました。(恥‼︎)とっても勉強になりました!今日から胸を張って「とんぶり」に関わります。
・とんぶりについてまだまだ知らないことがあり楽しく過ごせました。また、とんぶり料理も色々なアレンジがあり驚きです。大館の名物等とのコラボはとても良かった。



