今回の講師は、8月に開催した【心の健康講座】と同じく、寺田心理教育研究所の代表、寺田誠さん。
1回目に引き続き、落ち着いたトーンで皆さんに語りかけるように始められた。
★ 自己紹介
横手市で、寺田心理教育研究所を運営している。
講座を行った10月23日は衆議院議員の選挙期間中であったが、仕事柄、各候補者の話し方聴き方がとても気になるとのこと。
今日の講座の中で、ワークを行うが、やることによって何を感じたかを気にかけてほしい。決してうまくやってほしいわけではないと呼びかけられた。
秋田県は自殺率が高いが、うつになりやすいということも考えられるそうだ。
普段から傾聴を通じ、エネルギーが下がった人へ生きる希望を見つけるためのちょっとしたお手伝いができればと思っていると語る。
★ 傾聴の態度と技法
「聴く」・・相手が何を語り表現しようとしているのかを五感全体を使って聴くこと(体全体を使って)
「聞く」・・相手の話や外から聞こえてくる音を受身的に聞くこと
「訊く」・・自分が関心のあることを問いただし、尋問するように訊くこと
※「傾聴」は態度そのものであり、時間の枠組み(聴く時間)や環境の枠組み(聴く場所)も大切な要素
・基本的態度(信頼関係を作るために)
受容する(相手への尊重)
共感する(同調ではない)
誠実な態度(自己認識)
・かかわり行動
(相手に関心を持つ)→ 話を途中でさえぎらない、相手を評価しない
・簡単受容 → うなづき、あいづち、言葉を繰り返す
・感情へ応答する → 相手の気持ちなどを受けて伝え返す
・要約 → 話の重要なテーマをまとめて伝え返す
・聞かれた質問 → Yes か No で答える質問ではなく、思考や感情を自由に話してもらう質問
※多く使う人は、詰問にならないか要注意!
★ コミュニケーションはどう伝わるか
・情報伝達の割合(メラビアンの法則)
視覚情報 55%、聴覚情報 38%、言語内容 7%
人は見た目が9割!
※「何を伝えるか」よりも「どのように伝えるか」が大事!
★ ジョハリの窓
・対人関係を良好にするには?
解放の窓を広げましょう!=他者との距離が近くなる
秘密の窓を狭める=自分のことをオープンにしていく
盲点の窓を狭める=他者からのフィードバックを受ける
★ 演習(2人1組)
①話を聴かないワーク(石のお地蔵さん)
話し役の話を聴き役は無表情、無反応で聴く。
話し手、聴き手のお互いがどんな気持ちになったかを共有した。
②うなづき・あいづち・コンタクト
話し役の話を、聴き役は「うなづき・あいづち・アイコンタクト」で聴く。
話し手、聴き手のお互いがどんな気持ちになったかを共有した。
③代表2人が、話し役・聞き役になり7分間テーマに基づいた話をする
話のテーマ:『自分が困っていること、ちょっと悩んでいること、今感じていること』
参加者、話し役、聴き役の順で、それぞれの感想を話した。
★ まとめ
コミュニケーションのパターン(自分の動き)は人によって決まっているが、話し方、聴き方に関する自分の動きは自分で見ることができない。
演習で客観的に見てもらうことにより気づくことがあり、それを受け入れることが大事。
そして、日々伝わり方を意識してコミュニケーションをとることが大切である。
※この講座の中で、参加者は自己紹介をし、演習で2分間スピーチを繰り返したが、参加者がこの講座で話したことは、ここだけの話であり他言しない約束のもと行われた。
それによって、傾聴体験は有意義なものとなった。
⭐️受講者からの感想
・本当に参加して良かったです。
・聞くだけに終わる講話も多いが、ほぼ参加者主体で進められたことに意義あり!これこそ本当の”学び”だと思いました。
・自分の仕事に少しでも役立てたいと思っての参加だったが、実践できるかは別に生かしてみたいことが多々あり良かったです。
・少人数で小さい部屋での学びは内容的にも凝縮される感覚があり、参加者同士のコミュニケーションがあったことも良かったです。
・実際体験することで昨日の自分より成長したのでは、と思えて嬉しいです。短い時間で挑戦までできて盛りだくさんの内容でした。