今回の講師は、元陸上自衛官で平成26年より大館市防災アドバイザーとして活躍している野口幸喜(左)さん。
昭和62年に「若松獣医科病院」を開院、以来37年間ペットの病気を見守っている若松清則院長(右)です。


🔴 〜大館市の場合〜
大館市の総合防災訓練を主に担当している。2〜3年前頃からペットの扱いをやりたいと思っていたが、関係各所、参加者の協力等が必要でなかなか実現できずにいる。ペットが参加してもいいようにゲージだけは準備していいる。
まず、「ペット」とは、犬・猫・鳥類のことを指すという。
★ 防災の基本的な視点
① 自助・・・自分で自分の身を守る、ペットの安全確保
② 共助・・・互いに力を合わせて助け合うこと
③ 公助・・・公共機関による支援活動
◎ 平常時に飼い主が行うべき対策
1.住まいや飼養場所の防災対策
2.ペットのしつけと健康管理
3.ペットが行方不明にならないための対策
4.ペット用品の避難用品や備蓄品の確保
5.情報収集と避難訓練
6.家族や地域住民との連携
7.ペットの一時預け先の確保
⭕️ 災害発生時に飼い主が行うべき対策
1.ペットとの同行避難
2.避難中のペットの飼養環境の確保
(避難所・自宅・車内などで異なる)
最後に、災害でペットを守る事ができるのは飼い主だけです。自分が無事でないとペットは守れません。飼い主の役割とはペットを飼うという権利とともに果たさなければならない義務を常に意識し、災害に対する「十分な備え」を行い、常に飼い主の責任を果たす「心構え」をもつことです。

🔵 〜獣医師から学ぶ〜
数年前から獣医師会の「北秋田支部 支部長」をしている。県や理事会の会議に参加するようになったため、ペットの避難所についての要望をあげやすくなったと思っている。
東日本大震災で停電した経験はあるが、実際に被災したことはない。獣医師会での研修会はしていますが、実際に体験していないので、知見をもとに考えることしかできない状況です。
若松獣医科医院でも、東日本大震災の時にとても大きな揺れを感じ、停電になりました。その時に、検査機器や電気を使う電気メス等の機械が壊滅状態になった。内科治療や耳の治療を明るいうちのみ診察するしかできなかった。何日かそんな状態が続き、検査や手術はできなくなった。手術中に震災が来たらどうしようかと考えるとゾッとした。対策として、すぐに発電機を用意し、停電時でも対応できるようにした。発電機は年に数回動かさないといざという時に使えない。防災の視点で「実際に動いていく」事が必要だと考え、備えて準備をする事が大事だと思う。
実際に東日本大震災で被災した獣医師から話を聞くと、避難所にペットの治療で行った際、避難所の前に犬を連れた女性が立っていた。どうしたのか尋ねたところ、「迷惑がかかるので避難所に入れない」と言っていたという。避難所の近くにテントなどを張ってペットと一緒に過ごした飼い主さんが多くいた。ペット同伴の避難所はほとんど利用されていなかったというのが現状です。
行政にお願いしたいこと
✔️ 災害時の車両認定
✔️ ペット同伴の仮設避難所を準備
これからお願いしたいこと
✔️ 行政機関・県・市・獣医師会・動物愛護団体・ボランティアの連携
✔️ 救援本部の立ち上げ等迅速な対応
✔️ ペットロスに対する保健師の心的サポート
✔️ 飼い主を失ったペットたちの動物愛護団体への引き継ぎ
🔶 避難時に用意しておくもの
・飲みなれた水・餌(処方食あれば)・情報をつけたゲージ・マイクロチップ(名ふだ)他
🔷 備えておく行動(対策しておく事)
✔️ ゲージで過ごすことに慣れておく事
✔️ 首輪とリードをつける事に慣れておく事
✔️ 冬季に洋服を着ることに慣れておく事
✔️ 車の中や、野外でつながれて置かれる事に慣れておく事
✔️ トイレを外でも中でもできる事
⏩ 猫が難しいかもしれないが、備えておく行動ができるかどうかは、犬はしつけできちんと扱えるかがとても重要!しつけをしっかりして、自分の犬に何でもできるようにする事が大事!!
ペットが大きな怪我をした時、助けようとして噛まれたなどよく話を聞くが、移動する時は大きなタオル等に乗せて移動した方が湯良い。止血する場合は、きつく止血しすぎると壊死してしまう恐れがあるので気をつけたい。

★ 質疑応答(交流会)
Q マイクロチップについて
A マイクロチップは首に注射器の太めのもので埋め込むが、リーダーがないと読み取れないので、名札の方が断然いいと思う。マイクロチップの埋め込み費用は7〜8000円位。リーダーは動物愛護団体等が持っている。マイクロチップの情報は飼い主が変わった等の場合は変更届を出せばいい。
Q 防災グッズについて
A 受講者の方へ聞いたところ、バックにひとまとめにはしていないとのこと。食べてくれるご飯やおやつを模索している受講者の方もいた。いざという時のために準備したいと話していた。
Q 犬・猫の割合について
A 受講者の8割が猫を飼っているという。若松獣医の受診率は、昔は犬が多かったが、現在は猫の割合が多くなっている。飼い主が高齢で散歩ができない等の理由かと考えているとのこと。

⭐️受講者からの感想
・とても勉強になりました。東日本大震災でのお話がとてもわかりやすかったです。質問コーナーがあって良かった。楽しかったです。
・普段の生活は猫ファーストなので、いろいろな知識を持つことは飼い主の責任かと思います。新入りの猫さんがいるので、マイクロチップの話を聞くことが出来てよかったです。
・行政でできないことも多いと思うので、飼い主自身が考えていく事が大切であると思いました。