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講座レポート2025.11.14

大館曲げわっぱへの思い 〜おむすびと小物作りに挑んで〜 2025年11月1日開催

 伝統文化の講座として、大館曲げわっぱ初の女性起業家である伝統工芸士、仲澤恵梨さんにお越しいただきました。
 仲澤さんは、2022年に市内に曲げわっぱ工房 E08(いーわっぱ)を立ち上げ、オリジナル作品を数多く生み出しております。
 今回は、そこに至るまでのたくさんの思いが語られました。

 仲澤さんは、短大在学中にもの作りへの楽しさが芽生え、卒業と同時にこの道1本でいくと心に決めたそうです。
 しかし、伝統工芸士への道のりは平たんではなく、職場に採用になるまでに何度も何度も工房に通い、最後は社長が仲澤さんの熱意に根負けし、採用となりました。
 その後、修行を続け2016年に最年少で伝統工芸士となり、徐々に独立への夢が募っていったようです。

 「見て覚えろ。」から始まった職人としての20年の修行の間、辞めていく後輩たちをたくさん見てきましたが、必要とされる人材になろうと技術取得のために忍耐強く頑張ってきたそうです。
 当時、自分はだれかのためになる職人でありたいと、わかりやすく伝えること、横のつながりを大切にすること、さらにお客様との出会いの大切さを大事にしたようです。

 そんな中、お客様の要望もあり女性の感性を生かしたアクセサリーの作成を会社に提案したそうですが、却下。5年間悩み続け、家族の後押しもあり独立を決意し、2022年に起業、5月に工房をオープンしました。

 独立後、端材もむだにしたくない(天然秋田杉の伐採は現在禁止となっている)という思いで、「かわいらしいもの・使いやすいもの」をめざし使い手目線での作品に取り組み、独立前には作れなかった小物作りに邁進しました。
 独自に発表した作品は、イヤリング・ネックレス・料理用へらなど数多くありますが、三角のおにぎりの形をした曲げわっぱは、曲げの技術を完成させるまでに数年かかり、ぜひその三角の角度を見てほしいと話されました。

 2千年の歴史を持つ曲げわっぱですが、大館曲げわっぱは、作る工程がしっかりしている伝統工芸品として、これからもその技と伝統を守っていくという強い意志を感じました。

 女性起業家として数多くのマスコミにも取り上げられ注目を浴びる中、令和6年伊丹国際クラフト展では、約3,000点の中から「酒器セット」がグットマテリアル賞を受賞したそうです。

 毎月、全国各地のデパートで展示販売を行い、新しい作品の制作活動とあわせ多忙な日々をすごしている仲澤さんは、日々次の3つの柱を大事にしているとのことでした。

1. 郷土愛と地元への感謝
2. 広い視野と独自性の発信
3. お客様との対話

 これからも、全国各地を回り大館曲げわっぱを広めるとともに、大館愛を発信して下さることを受講者全員が確信した講話でした。

 講座終了後、参加者は曲げわっぱの材料や工具を直接手に取って見させていただきました。また、受賞作品やおにぎり弁当、さらにイヤリングなどの小物の展示もあり、「かわいい・きれい」という声がとびかい、白木の弁当で新米を食べたい・・そう思わせる作品の数々を鑑賞しました。

⭐️受講者からの感想

・女性目線で作られた商品とても魅力感じました。スプーンありがとうございました。大事に使いたいと思います。
・興味があっても直接作業工程を見ることができない曲げわっぱ、14もの工程を経て作られると聞き、伝統工芸を守り続けていく方々の苦労を思い知りました。また白木製品の取扱いポイントを聞けたのが有難かったです。
・曲げわっぱづくりへの女性ならではの視点を知ることができた。作る工程、使い方など興味深かった。いろいろな曲げわっぱの作品を見ること、苦労話を聞けて良かった。
・とても良かったです。仲澤恵梨氏の曲げわっぱE08の思いがわかり、気持ちが伝わってきました。頑張ってほしいと思いました。女性が活躍するのは、とてもうれしいです。応援しています。