ソニー生命保険(株)秋田支社のライフプランナー、加藤遼さんと柿下大輔さんを講師に迎えての2回目の講座で、今回は「介護にまつわるお金の話 ~認知症介護の大変さ~」と題し、主に認知症介護についての、知って安心の公的制度や、今からできる具体的なお金の対策を学びました。

認知症介護の大変さと聞くと、難しく感じることがあるかもしれませんが、リラックスして気軽に聞いて欲しいと加藤さんは話します。
『怖い話ではなく、「備えて、安心して、楽しく過ごす」ためのお話』
まずシニアライフを楽しむために、お金を4つに分けて考えましょう。
- ⑴楽しむ:趣味など充実した毎日を過ごすためのお金
- ⑵暮らす:衣・食・住など暮らすために必要なお金
- ⑶備える:三大疾病や介護などの出費に備えるお金
- ⑷のこす:大切な人にのこしたいお金 (今回は、“備える”お金がメインのお話でした。)


老後(60歳以降)は、介護について考える方が多いかと思います。楽しく生活したいけれど、備えのためにお金を使えないこともあるのではないでしょうか。不思議な事に[介護を受けなければならなくなってしまった時]と、[孫の進学]等が重なってしまうことが多いそうです。“ご家族に対する安心”はそれぞれ異なる場合があるので、ご自身にあった対策が必要です。
認知症になるかもと不安に思ったことがあるか受講者に聞いたところ、3分の1程の方が経験があると答えました。介護の原因として一番多いのが認知症で、16.60%、およそ5分の1を占めています。
‹登場人物になりきって考えてみよう›
旦那さんが亡くなり、娘夫婦の間に孫が1人いる主人公・花子さんになって考えました。
◯花子さんの思い
- ・高齢者住宅に入居したい
- ・家を残してあげたい
- ・子どもには迷惑をかけたくない
- ・孫の成長が生きがいで、お金の援助をしてあげたい
そんな花子さんが認知症になってしまい、家族にとっては想定外のことが起こってしまいました。要介護認定(医師の診断・意見書が必要)を受け、いざ花子さんの願いを叶えてあげようとすると、介護施設に入居するためには2000万円が必要。更にそのための介護資金集めには、①自宅売却 ②有価証券の使用 ③定期預金の解約 ④古い生命保険の解約等が必要となる場合が多いですが、認知症になってしまうと、ご本人のお金は自由に使えなくなってしまいます。
幸い花子さんに代わってこれらをできる制度「成年後見人制度」があったため使用。
●成年後見人制度とは
認知症などで判断能力が不十分な方に代わり、財産の管理や施設入所などの契約を行う代理人を家庭裁判所が選任する法的制度

今回のケースでは弁護士が成年後見人となり、、、
(これは、あくまでも一例です)
- ・通帳、キャッシュカード、印鑑等は成年後見人に全て預ける
- ・他の金融資産があるため、有価証券を売却する
- ・希望していた施設とは別の施設を手配される
- ・孫の支援援助は出来ない など、多くの変更・制限が生じてしまいました。
注意⚠:成年後見人制度はご本人(花子さん)のためにしかお金を使えない
また、この制度は判断能力が回復しない限り止めることができない(=一度始めたらご本人が亡くなるまで続く)ため、結果子どもが多くのお金の負担を背負うことに。
認知症で困ることは、周りの家族が「預貯金の解約」や「古い生命保険の解約」、「有価証券の売却」、「施設等との契約行為」が出来なくなることにあります。
★成年後見人制度は良い制度だけれど、使う前にやれることがあります!
起こりうることを想定し、将来今の財産を気持ちよく使えるように備えることが大切です。備えることで、違う人生が待っているかもしれません。
‹事前に準備できることの例›

遺言書は、近くで介護してくれた子どもや、子どもがいない夫婦であれば妻など、特定の人に特定の財産を渡したい場合も作成することが出来ます。遺言書には自筆証書と公正証書があります。自筆証書は1人で作成が可能で、内容は秘密に出来るメリットがあります。
ご家族が認知症になった場合の口座や契約の凍結の有無についても説明がありました。NISAやiDeCo、預金通帳などは、資産を守るために金融機関により凍結され、本人の意思以外での引き出しや解約が出来なくなります。
その反面、生命保険は商品にもよりますが、凍結が無い場合があります。“契約者代理請求人制度”や“指定代理請求人制度”などという、指定された代理で手続きが可能な制度を活用すると、家族が代わりに給付金や保険金の請求を行うことができます。
“指定代理請求人制度”は、解約、保険金額の減額、住所管理(住所変更などの手続き代行)が出来ます。これは、成年後見人制度を利用せずに行えるのが特徴です。
これらの対応を事前に出来ていたら、生命保険の解約もでき、花子さんの希望も叶えられ、お金を家族の生活費等に充てられていたかもしれません。講師は、我々のような生命保険等も事前に上手に使っていただければと話していました。
認知症はいつ来るか分からない。
何かに取り組める時間、体力は無限にあるわけではない。
お金に困らない、幸せな将来を迎えるために、正しく準備し、備えましょう。
今を楽しむために、お金を使うことも出来ます。
昨年度はライフプランニングについて、今年度は介護にまつわるお金について講演いただきました。認知症介護の大変さを知ると同時に、“介護”について事前に準備することは、介護を受けるご本人にとっても、その家族にとっても大切な事であると感じました。
この講座をきっかけに、一度ご家族と今後の人生について話し合う時間を取り、分からないことは専門家に聞いてみるなどして、多くの人が今後の人生を明るいものにするための1歩を踏み出してほしいと思います。
⭐️受講者からの感想
・初めて聞いた制度もあり、とても勉強になりました。
・お金の使い方、財産の管理を、旦那ともう一度話し合っていく良い機会になりました。
・成年後見人制度のしくみは利用者の立場を尊重していないような気がしました。合わせて任意後見人制度について詳しく知りたかったです。



