新聞というメディアが果たす役割
テレビやラジオだけでなく、昨今ではSNSも情報媒体として機能し、そのあり方が多様化している現代社会。
そんな中でも、今尚変わることなく私たちの暮らしに寄り添ってくれる新聞という紙媒体。
今回は2022年1月12日(水)に開催された『【大館で新たなお仕事開拓】ライター養成講座』第1回目の様子をレポートしていきますよ!
新聞はもちろん、地域紙としての使命を知るきっかけがありました。
大館というまちで愛され続ける、北鹿新聞
講師を務めてくださったのは、株式会社北鹿新聞社の石山俊智(いしやまとしのり)さん。
長きにわたって北鹿新聞社に勤められている石山さんは、現在は常務取締役として活躍されています。
情報砂漠(地方が置き去りにされること)に潤いを与える地方紙として、発刊時から大館市民に愛され続けている北鹿新聞。
長く続くコロナ禍において、正確な情報提供が必要であることを、石山さんご自身もより一層痛感されているとのことでした。
それぞれの参加理由
石山さんの紹介が終わったあとは、参加者全員にそれぞれ自己紹介をしてもらいました。
ライター養成講座ということもあり、文章を書くことが好きだと話す方が多く、中にはブログ更新のコツや、副業のきっかけを掴むために参加された方もいらっしゃいました。
北鹿新聞では、ニュースとしての記事は全て記者が作成していますが、今後は市民がライターとなり、地域のイベントや行事など、単発の仕事発注から構想しているとも話してくださいましたよ。
ネット時代における、新聞の強み
ネット時代のハブメディアとして位置づけられている新聞には、信頼性やデマ情報に対する防波堤の役割、また個人の判断や意思決定をサポートするといった強みがあります。
そのほかにも、記録性や解説性といった優れた点も持ち合わせており、特別興味がなくても自然と目に入る一覧性も挙げられます。
(ネットの場合、ついつい興味のある分野ばかり調べてしまうことが多いですよね)
「地域で起きたことをより正確に分かりやすく読者に伝え、大きなニュースをいち早く届ける。そして背景を深掘りした記事を通して問題提起する」
そのように新聞に込めた思いも話してくださいました。
ニュースがもつ6つの側面
普段何気なく見聞きしているニュースという言葉ですが、新聞や報道において、その言葉には6つの側面があるといいます。
鮮度という意味での『新しさ』、命の問題を取り上げる『人間性』、そのほか『社会性』『地域性』『記録性』『国際性』など、これら全ての情報がニュースとなります。
中でも『社会性』は、社会的な影響力があるか、人々が関心を抱くか、時代を反映した出来事であるかの3つに分解することができ、それらを判断するのは記者の「なぜ?」という疑問からスタートするそうです。
知って納得!新聞記事の特徴
新聞記事には大きくふたつの特徴があり、ひとつ目は『5W1H』の6つの要素です。
いつ(When)、どこで(Where)、誰が(Who)、何を(What)、なぜ(Why)、どのように(How)が揃っていれば、過不足のない記事になるのだそう。
続くふたつ目の特徴は、『逆三角形』でつくられているということ。
起承転結で書かれることが多い一般的な文章とは対照的に、新聞記事では真っ先に結論を書き、そのあとに説明を加えていきます。
短い記事は別として、新聞記事はタイトルとなる『見出し』、前文となる『リード文』、そして詳細となる『本文』で構成されています。
重要度は『見出し』→『リード文』→『本文』の逆三角形型。
的確にニュースのポイントを読者に伝えられるだけでなく、記事を短くする場合も後ろから削っていけば、重要な結論を落とさずに済むという意図も込められているそうです。
(参加者も思わず「確かに…!」と頷いていました)
その特徴を、さらに深掘り
講座中は随時質問を受け付けていたため、参加者からは積極的に質問の声が上がりました。
「〜した」「〜する」が基本の新聞記事では「です」「ます」を使用することはなく、皇室に関する記事を除けば、謙譲語や尊敬語も使用することはありません。
文章はできるだけ短く簡潔に、事実を淡々と書くことが大事であると話してくださいました。
ほかにも読む際の『リズム』も欠かせない大事な要素で、時には体言止めを使用することもあるのだそう。
「焦点に悩んだときにはどうすればいいですか?」という質問に対しては、「見出しを考えてから書くといいですよ」というアドバイスもされていました。
ここでしか聞けない、新聞記事作成のフロー
新聞記事作成には9つのフローがあり、ここでは動画を観ながら学んでいきました。
『編集会議』『取材』『原稿作成』『校閲/レイアウト』『校正』『紙面製作』『広告制作』『最終チェック』『印刷』の流れで作成される新聞。
上記画像の『校閲/レイアウト』では、誤字脱字チェックや配置、見出しづくり(8〜9字)をしているそうです。
思わずひざを叩きたくなるような上手い見出しは、新聞の魅力のひとつですよね。
また新聞の用事用語について説明する場面では、中学生でも読めるようなやさしい言葉づかいを心がけているそうで、その表記は時代と共に変わっていくみたいですよ。
大事なのは文章力より、〇〇
2時間の講座も気がつけばあっという間に終盤に差し掛かり、話題は普段からできる訓練・習慣づけに移ります。
新聞記事を書く場合は、文章力よりも、新鮮な視点が問われる『ネタ』が重要になるそうで、どのように料理するかが評価基準の対象になるそうです。
また、現場に足を運んでリアルな様子を取材する記者の姿を例に挙げて、その場に行かないと感じられない体験をすることが、後々文章にも表れてくるとも話してくださいました。
「読んだ人が行動してくれるような新聞記事づくり」を意識し続けてきたという石山さん。
文章のテクニックよりも、自身のアンテナを伸ばして行動することの大切さを教えてくださいました。
最後は石山さんと参加者全員の間で名刺交換が行われ、大館で働く人の話から、地元の仕事発注につながるきっかけが垣間見える場面もありました!
ではでは、また次の記事でお会いしましょう!
ライター養成講座第2回講座レポート▼
https://chuko-manabi.jp/library/report-20220119/
ライター養成講座第3回講座レポート▼
https://chuko-manabi.jp/library/report-20220126/
ライター養成講座第4回講座レポート▼
https://chuko-manabi.jp/library/report-20220202/