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講座レポート2022.09.01

【⼈材育成のアプローチを学ぶ】コーチング・コミュニケーション講座

ふくだみのり
ライター:ふくだみのり

自身の特性を知る、きっかけづくり

たんぽぽの綿毛

社会と関わりを持つ上で、避けては通れないのが他者とのコミュニケーション。
特に会社などの大きな組織に属するようになると、多様なコミュニケーションがある中で他人との価値観のズレを感じてしまう方も多いのではないでしょうか。

今回は2022年8月6日(土)に開催された『【⼈材育成のアプローチを学ぶ】コーチング・コミュニケーション講座』の様子をレポートしていきますよ!

コーチングや色彩心理学を通じて、個々の特性に合った⼈材の活かし⽅や⼈材育成を効率的に進めるための考え⽅を知るきっかけがあった当講座。
コミュニケーションに悩む中堅社員・教育担当者・管理職の⽅には特にオススメな内容です!

そもそもコーチングってなんだろう?

講師の伊藤晴樹さん

講師を務めたのは、株式会社Time Colors代表取締役の伊藤晴樹(いとうはるき)さん。
色彩やアロマ、教育にまつわる数々の資格をお持ちで、現在はコーチング・教育・⼈材育成事業を中心に活動されています。
もともとはエンジニアとしてパワーストーンなどの岩石学を学んでいたそうですが、色彩学に興味を持つようになってからは主軸を教育分野に変えたそうです。

教育といっても学びを教える側ではなく、相手に気づいてもらうための教え方(コーチング)をしているという伊藤さん。
当講座の大きなテーマとなるコーチングについて、自己分析や他者分析を通じて自らが抱えている課題に気づき、目標設定ができるようにサポートするものだと話します。

繰り返し行われる対話から相手の内面にある気づきや新たな視点を引き出し、一緒に課題解決を目指すコミュニケーション手法であることがよく分かりました!

さらに深掘り!コーチング

コーチングについて話す講師

コーチングと類似して挙げられるのが「ティーチング(教える)」「コンサルティング(提示する)」「カウンセリング(助言する)」の言葉。
それぞれ分野は異なりますが、伊藤さんは相手の心理状態を見極めて判断するためにコーチングを含めた上記4つの分野を全て行うそうです。

併せてコーチングは0からプラスにもっていくアプローチであることを説明しながら、コーチングだけで課題解決することの難しさについても話します。
そのためカウンセリングを通じて相手の現状に寄り添って共感し、コーチングに移ることが多いそうですよ。

相手の根本にある問題を解決した上で、はじめてコーチングを行う伊藤さんのスタイルがよく分かる場面でした。

モチベーションとは?

モチベーションについて話す講師

人間が何かしらの行動をするために必要な原動力となるモチベーションは「誘因(インセンティブ)」「動因(ドライブ)」のふたつに分けられ、コーチングスタイルもモチベーションと同じく「外発的動機付け(誘因)」「内発的動機付け(動因)」があるそうです。

ただしコーチはあくまでも鏡の役割と話す伊藤さんは「自分は何がしたいのか」の気づきをサポートするためにも、後者に挙げた「内発的動機付け(動因)」からアプローチを取っているのだとか。

ここではアメリカの心理学者アブラハム・マズロー氏が考案した『マズローの5段階欲求説』を例に、自己実現の達成には下層部分の「安全欲求」「生理的欲求」を満たしてあげることの大切さについて話していました。
これらを満たした後で、環境要因がメインとなる「外発的動機付け(誘因)」に目を向けられるようになるそうです。

色彩心理とタイプ分析

受講者の様子

その後はふたり1組でペアを作り、名前・出身地・お互いの好きな色などについて自己紹介を行いました。

ここで肝となったのが、自分の好きな色。
今回は一次色と呼ばれる「赤・黄・青」の3色から好きな色を選び、好きだと思う理由について考えて発表し合います。

コーチングでは色で人物像をタイプ分けすることができるようで、例えば赤色が好きな人はコントローラー(Controller)と呼ばれ、誰かを引っ張っていくリーダータイプに多く当てはまるそうです。
ほかにも黄色はプロモーター(Promoter)、青色はアナライザー(Analyzer)に分類され、それぞれの思考や得手不得手、コミュニケーションの特徴などを細かく説明してくれました。

色彩心理について話す講師

受講者の中でも圧倒的に人気が高かった青色。
青色には「信頼できる」「丁寧」「冷静」などのポジティブな側面と同時に、「引っ込み思案」「デリケート」「枠にとらわれる」といったネガティブな側面が例として挙げられるそうです。
一般的に「ポジティブ=肯定的」「ネガティブ=否定的」と捉えられることが多いですが、色彩学においては「ポジティブ=得意分野(気持ちが上がっている)」「ネガティブ=苦手分野(気持ちが下がっている)」と捉えるのが主流なのだとか。
どの色にも二面性があることがよく分かる場面でした。

また伊藤さんは先ほどの一次色と合わせて、二次色と呼ばれる「オレンジ・緑・紫」を合わせると、その人のタイプが分かると話します。
自分の色はどのタイプに当てはまるのかをじっくりと考え、向き合うことが大事なのですね。

コーチング実践にオススメな理論!

コーチング理論について話す講師

講座も終盤に差し掛かり、ここからはコーチングを実践したい人にオススメなさまざまな理論の紹介がありました。

中でも注目したいのが『セキュアベースと心理的安全性』です。
イギリスの心理学者ジョン・ボウルビィ氏によって紹介された心の安全基地を概念とする『セキュア・ベース』と、組織行動学を研究するエドモンドソン氏が提唱した組織内で自分の考えや気持ちを安心して発言できる状態をさす『心理的安全性』

無知・無能だと思われる不安や、邪魔をしていると思われる不安など、いろいろな不安要素を感じさせない余裕を持つことで相談してもらえる存在になれると話します。

講師の伊藤さん

コーチングにおける重要な要素として「相談しやすい環境を作る」「相手に寄り添う」の2点を挙げた伊藤さんは、最後に「無意識の中でコーチングアプローチを活用してほしい」と話します。
アドバイスは極力控え、相手が答えを出せるまで辛抱強く待つことの大切さを学ぶことができました。

今回の講座をきっかけに前向きなコミュニケーションを取っていきたいですね。
ではでは、また次のレポートでお会いしましょう!