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講座レポート2022.10.07

【ルールを覚えて会社やサークルのレクに活用!】ボッチャでコミュニケーション!

ふくだみのり
ライター:ふくだみのり

体を動かしてパラスポーツを体験!

年齢や国籍、障がいの有無に関わらず、誰もが楽しく参加できるユニバーサルスポーツのひとつであるボッチャ。
パラリンピックの正式種目に採用され、2021年に開催された「東京2020パラリンピック競技大会」でも熱戦を繰り広げていましたね。

今回は2022年10月1日(土)に開催された『【ルールを覚えて会社やサークルのレクに活用!】ボッチャでコミュニケーション!』の様子をレポートしていきますよ!

実際に体を動かしてコミュニケーションを取りながら、大館市とも深い関わりを持つボッチャについて楽しく学んでいきました!

そもそもボッチャって何だろう?

講師を務めたのは、一般財団法人大館市スポーツ協会会長の青柳正隆(あおやぎまさたか)さん。
協会ではスポーツを通じた市民の生きがいのある健康な生活や、豊かで明るい都市実現のために、スポーツの普及・推進や市民スポーツ祭など、さまざまな活動を行っています。
まずは、本講座のサポート役として参加してくれた大館市スポーツ振興課の安保由紀子(あんぼゆきこ)さんより、ボッチャについて説明がありました。

重度脳性まひ者や、四肢に同程度の重度障がいがある人のためにヨーロッパで考案されたボッチャは、ジャックボール(目標球)と呼ばれる白いボールに、赤・青のそれぞれ6球のボールをいかに近づけるかを競い合います。
シンプルなルールだからこそ、やっていくうちにゲームの奥深さを感じることができるみたいですよ!

またパラリンピックなどの国際大会では、障がいの種類と程度によって分けられた以下の4クラスで順位を競い合います。

①BC1
・車いす操作が不可で、四肢・体幹に重度のまひがある選手
・下肢での車いす操作が可能で、足蹴りで競技する選手
②BC2
・上肢での車いす操作がある程度可能な選手
③BC3
・最重度の選手が該当するクラス
※自力による投球ができないため、競技アシスタントによるサポートにて、ランプ(勾配具)を使用して競技を行う
④BC4
・脊髄損傷や筋ジストロフィーなど、BC1・BC2と同等の重度四肢機能障がいのある選手

誰もがスポーツを楽しめる「障がい者スポーツ」の理念を見事に体現しているボッチャの魅力を感じる場面でした。

大館市とタイ王国の関係性

始まりは「2020年東京オリンピック・パラリンピック」開催に向けて、2016年に秋田県と大館市が連携し、大館市がタイ王国のホストタウンに登録されたことがきっかけでした。
その後はタイ王国のボッチャチームを迎えた市民交流会や異文化教室の開催、オンラインによる交流など、さまざまな形をとりながら関係を深めていきます。
2022年4月には、タイ王国のボッチャチームがパラリンピック優勝報告会のために来市して、市長訪問と市民交流会が行われました。
大館市とタイ王国が築いてきた良好な関係性がよく伝わってきます。

過去には市民にボッチャを体験してほしいという思いから、JR大館駅構内の待合室にボッチャコートが設置されていたみたいですよ!
(現在は大館市に寄贈されています)

実際にボッチャを体験!

ここからは青柳さんにバトンタッチして、ルール説明を交えながら実際にボッチャを体験していきます。
ボッチャで使用するボールは「天然皮革製」「フェルト製」「人工皮革製」の3種類に分かれていますが、本講座では表面が柔らかく滑りにくい特徴を持つ人工皮革製を使いました。

試合は以下の流れで進んでいきます。

①両選手(ペアorチーム)が6個ずつのボールを使用
②先攻側が的となる白いジャックボールを投げ、続けて1投目を投球
③後攻側が最初の投球を行う
④以降は、ジャックボールからより遠い位置にボールを投げた側の選手がその次の投球を行う
⑤赤・青ともに6球ずつ投げ終えた時点で得点を計算
〜〜ここまでの流れを「1エンド」とします〜〜
⑥以降は、同様の形式で各エンドを戦い、点数をつける

個人戦・ペア戦は4エンドチーム戦は6エンド行いますが、今回は3人ずつに分かれたチーム戦なので、6エンドで競い合っていきました!

簡単そうに見えて、奥が深い

今回は実際に使用するコートの約5分の1サイズでプレイしました。
公式のコートはバドミントンコートとほとんど変わらないそうで、かなり大きいことが分かります。

まずは赤チームの選手(先攻)が白いジャックボールを投げ、続けて赤ボールを投球。
できるだけジャックボールに近づけようと投げますが、力加減が難しく、なかなか苦戦している様子が伝わってきます。
ここで青柳さんから、状況に応じたボールの投げ方や狙いやすいコースなどのアドバイスが入り、その通りに投げるとみなさん良い位置にボールを置くことができていました。
チーム戦ならではのファインプレーや、ミラクルショットを繰り出す受講者もいて、場内は大いに盛り上がりを見せます。

ジャックボールとの距離が同等で、目視による判別が難しい場合にはメジャーなどの道具を用いるのですが、上記画像では「キャリパー」と呼ばれるコンパスを使って距離を測っています。
希望すれば、両チームの代表者がそれぞれ審判の元へ行き、判定が正しいかどうかを自分の目で確かめることもできるんですよ!
プレイヤーにしっかり納得してもらった上で、次のゲームを始めるボッチャのスタイルがよく分かるシーンでした。

チームのコミュニケーションが勝敗の鍵を握る?

頭脳戦ともいわれるボッチャは、さまざまな戦術を駆使して戦うことがキーポイントになります。
カーリングと似ているボッチャですが、最大の違いは的の位置を選手が決められること
最初に投げるジャックボールの配置が重要な駆け引きです。
チームメイトの利き手を把握して投げやすい位置に投球したり、相手チームが長距離の投球が苦手なら遠い位置に投げるなど、頭を使いながら常にチーム同士でコミュニケーションを取ることが、勝敗の鍵を握ると言っても過言ではありません。

最後まで結果が分からないほど白熱した戦いが繰り広げられましたが、みなさんボッチャを通じて楽しくコミュニケーションを取っていました!
シンプルかつ奥深いボッチャは、友達同士はもちろん、会社やサークルなどのレクリエーションにもぴったりなスポーツ。
ボッチャの貸し出しも行っているので、気になった方は大館市役所スポーツ振興課に問い合わせてみてくださいね。

ではでは、また次回のレポートでお会いしましょう!