もっと知りたい、カメラのこと
カメラは持っているものの、撮影場所やシーンに合わせて自分でカメラを設定するのは難しい……と思われている方は意外と多いのではないでしょうか?
今回は、2023年6月30日(金)に開催された『【カメラを手に取って学ぼう!】初心者向け写真講座』の様子をレポートしていきます!
カメラ操作について実践形式で学んだ本講座は、写真撮影をさらに楽しむためのコツやポイントが随所に散りばめられていました!
“明るさ(露出)”の設定から始めよう
講師を務めたのは、カメラマンの佐藤陽亮(さとうてるあき)さん。県内の撮影スタジオに2年間勤めたのち、今年6月に「てるとる」として起業し、現在は大館市内や秋田県内のロケーションを生かした写真撮影などを中心に活躍しています。
受講者の多くは「カメラの設定方法が知りたい」「室内・屋外で撮影する際のポイントが知りたい」「人物や風景を上手に撮りたい」など、写真に関するさまざまな理由を持って参加していました。
はじめにカメラの基本的な仕組みについて説明がありましたが、「どんなカメラでも明るさ(露出)を設定する」と佐藤さんは話します。写真の明るさは「絞り」「シャッタースピード」「ISO感度」の数値によって決まるため、これらの3点を意識することが大事であると説明しました。
明るさを調整する3つの数値の特徴
写真の明るさを決める要素の「絞り」「シャッタースピード」「ISO感度」には、それぞれ特徴があります。
①絞り(レンズ側で、明るさを調整する数値)
数値が小さい設定ほど明るくなり、ピントの合う範囲が狭くなるため、手前の物体にピントを合わせた時にボケやすい。反対に数値が大きい設定ほど暗くなり、ピントの合う範囲が広くなるため、写真全体にピントを合わせたい時にオススメ!
②シャッタースピード(カメラ側で、シャッターを開閉する時間を調節して明るさを調整する数値)
数値が小さい(開閉の時間が短い)設定ほど暗くなるため、動いている被写体をブレずに撮影できる。反対に数値が大きい(開閉の時間が長い)設定ほど明るくなるため、花火や滝など、カメラを固定する三脚があると光の軌道が撮影できる
③ISO感度(カメラ本体のもとになる明るさを調整する数値)
数値が小さいほど感度が低く(暗く)なり、 数値が大きいほど感度が高く(明るく)なる
佐藤さんの説明を聞きながら、受講者の皆さんも実際にカメラを手に取って写真を撮影していきます。自身で初めて明るさを設定する方も多く、熱心に質問する様子が見受けられました。
また、数値が大きいほど画質が荒くなりやすいISO感度について、「充分な明るさがあるところでは数値を小さくし、暗いところでは数値を大きくすることで、適度に明るくきれいな写真が撮れるようになる」といったアドバイスもありましたよ!
撮影モードの使い分け
ここからは、カメラの設定を撮影者自身が自由に設定できる撮影モードについて解説がありました。撮影モードは5つあるそうです。
①AUTO(オート)
カメラが絞り・シャッタースピード・ISO感度などを最適な明るさに設定して撮影するモード
②P(プログラムオート)
①AUTOと同じくカメラが明るさを設定するが、ISO感度・ホワイトバランス・露出補正を自分で設定できるモード
※ホワイトバランス(色温度)……目で見た色味に調整する機能
※露出補正……オートで設定したカメラの明るさに対して、 ダイヤルで明るさを調整できる機能
③Av(絞り優先オート)
絞りの数値とISO感度などを自分の設定で撮影できるモード。 背景をボカして撮りたい時などにオススメ!
④Sv,Tv(シャッタースピード優先オート)
シャッタースピードの時間とISO感度などを自分の設定で撮影できるモード。スポーツなど、動きのあるものの撮影にオススメ!
⑤M(マニュアル)
絞り・シャッタースピード・ISO感度などを全て自分で設定して撮影するモード
全ての撮影モードを解説したあとで、佐藤さんは「初めはオート(自動)で自分の好きな瞬間を撮影して、操作に慣れてきたらマニュアルで設定してみることがオススメ」だと話していましたよ!
カメラの画角について
一般的に、カメラの画角は焦点距離(センサーからレンズまでの距離)ごとに「︎ 広角」「標準」「望遠」 の3つの範囲に分けて考えるそうです。
①広角(︎焦点距離が35mm未満の範囲)
遠近感をつけやすく、限られた空間の中で広い範囲を撮影できる
②標準(焦点距離が35mm~50mmの範囲)
人の視界に近い写りをするため、自身が見ている景色そのままを写しやすい
③望遠(5︎0mm以降の焦点距離の範囲)
・遠くにあるものを大きく、小さいものを大きく写せる
・圧縮効果で奥行きを詰めて見せることができる(平面的になる)
・歪みが少ない
・焦点距離が長いほどボケやすい
便利なズームレンズと写りに特徴のある単焦点レンズについて説明する場面では、佐藤さんがこれまで撮影してきた写真を映しながら、「レンズの組︎み合わせ次第で撮りたい写真が広がる」と話していました。
また、レンズ交換時の注意点として、カメラ内部にホコリやゴミが付着すると写真に写ってしまう可能性があることから、室内など風がない空間での交換をオススメしていましたよ!
写真を通じて伝えたいこと、残したいこと
カメラを構えて写真を撮るときのコツとして、「自身が何に感動したのかを考えて、カメラを向けようとする気持ちを意識することが大切」だと話す佐藤さん。その上で、光や構図といった見せ方を工夫するといいそうです。
「明るさは撮影後の編集の有無に関わらず、適正な明るさで撮る」「撮りたいものを撮る機会を逃さない」「撮った写真や撮影時に他の人と交流する」など、実用的なアドバイスもありました。
「頭の中にあるアイデアや気持ちを写真に収めて可視化して、自分のペースで写真を撮り続けると自分らしい写真が撮れると思います」という言葉で締め括られた本講座。講座終了後も多くの参加者が積極的に佐藤さんに質問をしている様子が印象的でした!今回の講座をきっかけに、さまざまな撮影方法に挑戦していきたいですね。
ではでは、また講座レポートでお会いしましょう!