今回の講座は、伝統文化講座「夏の風物詩 盆踊り講座」と題し、ハッタギ踊り伝承会の成田靖さん、生涯学習コーディネーターの一関留美子さんを講師に迎え、大館で長年踊られている「大館大文字踊り」や「ハッタギ踊り」などの踊り方を学びました。
成田靖さんは半被をご持参くださり、受講者の方々の中にも、お着物を着て来られた方もいて、盆踊りや踊ることが好きな方たちがご参加下さり、学びたいという意欲が感じられとても嬉しかったです。

〈講師自己紹介〉
成田さんは「町の牛乳屋さん」の代表でもあり、乳製品の宅配をされています。その傍ら、ハッタギ踊り伝承会の事務局を立ち上げ、長年盆踊りに携わり、和太鼓と篠笛の演奏者として活動されていて、今回「ハッタギ踊り」の踊り方を教わりました。
一関さんは大館中央公民館の職員でもあり、大館学び大学の担当として、講座の企画・運営にも携わっております。今回この講座を企画し、以前日本舞踊を習っていた経験をもとに、ご自身も講師として、「大館大文字踊り」、「大の坂」、「ドンパン節」、「炭坑節」の計4つの踊りを教えていただきました。
まず、軽くウォーミングアップをし、「大館大文字踊り」、「ハッタギ踊り」、「大の坂」、「ドンパン節」、「炭坑節」の順に学びました。
●大館大文字祭り

手に「大」と書かれたうちわを持って、大文字焼きをイメージして優雅に踊るのが特徴。
大館大文字踊りは皆さん踊ったことがあるようで、「ちょちょんがちょん」などと声を出しながら踊っている姿も。八の字や、大きな円を描くように腕を動かし、目線は上など、アドバイスを受けていました。
祭りでは揃いの浴衣を着て踊るため、浴衣の袖を掴み、開いたり伏せたりする動きも学びました、女性は内股を意識して踊るとより綺麗に見えるようです。

音楽を流し講師を先頭に、円になって踊った際には、「それそれ」という掛け声も出て、楽しそうに踊っていました。
●ハッタギ踊り
「ハッタギ踊り」は、ほとんどの方が踊った事がない踊りでした。“ハッタギ”とは、方言でバッタやイナゴを意味し、昔大量発生して作物を脅かした虫を追い払うような両腕の仕草や、その様子を模したことが由来とされています。

バッタのように飛んだり、羽を広げるように踊るのが特徴的で、手を広げる動作がセーフ!と言う時のような動きのため、”セーフで始めて、セーフで締める”と覚え、声に出しながら成田さんの動きを真似て踊っていました。

右足だけで立ち、同時に右手を上げるなど、“バランス取り”のような動きが多く、ひとつひとつポーズを取ることが難しい点でしたが、成田さんは体幹が強く、体がぶれていないことに驚きました。踊りを綺麗に踊るには体も鍛えなければと感じさせられる踊りでした。
●大の坂
それぞれの土地で歌と一緒に伝承されているため、歌詞も各地域や時代によって多少の変化や違いがあるようです。「ほーいほい」という特徴的な掛け声も聞こえ、踊ったことの無い方々は見よう見まねで踊り、声出しも積極的にされている方もいました。“シェーのポーズ”に似た動作もあり、一関さんは覚えやすいように工夫して声掛けをしながら教えていました。
3曲を続けて踊ったため、準備したお茶とアイスコーヒーを飲んで水分補給、お菓子で休憩の時間を取りました。15分ほど、講師も含め皆さんお話をしながら休憩をした後、残る「ドンパン節」、「炭坑節」を学びました。

●ドンパン節
“どんどん ぱんぱん どん ぱん ぱん♪”の唄い出しで始まるドンパン節。“どどぱぱ どどぱぱ どんぱんぱん♪”とリズムに乗り軽快に踊るところもあり、踊ったことの無い筆者は、手と足をそれぞれ動かすだけでも大変そうだと感じました。始めは手の動きだけ、次に足の動きを付けて練習。最後は音ありで軽快さを意識し、円になって踊りました。普通は円で進んで踊りますが、今回はアレンジを加え、円の中心を向き顔を合わせながら踊る場面も。講師と受講者が一体となり、笑顔で踊っているのが印象的でした。
独特の方言も特徴的なドンパン節。休憩時は方言の話題になり、「来てたんせ~」「いだすか~?」「めらしっ子(赤ちゃん・子ども)」などが登場しました。
●炭坑節
炭坑節は、前奏後の手拍子“ちょちょんがちょん”から始まり、炭鉱労働の石炭を掘る・運ぶなどの作業に似た振り付けがあります。踊りの経験がある方々は、“掘って掘って、担いで担いで、押して押して、、、”などと声に出しながら踊っていました。
全5曲を学び終わり、座って休憩。昨年度は「からからんず講座 伝統芸能を伝えたい」という講座を開催しましたが、今回の受講者の中に、昨年「からからんず講座」を受講された方もおり、「ハッタギ踊り」と「からからんず」は似ているのではという声も聞こえました。「今回習った盆踊りの中で、一番好きな踊りは?」との質問には、「大館大文字踊り」との答えが出て、皆さん大館の祭りや盆踊りに誇りを持っていて、講座を通し、踊ることが好きで参加してくれたことが分かり、運営側として、また大館市民として嬉しく感じました。

成田さんは、ハッタギ踊りで使用する篠笛を使い、実際に演奏を披露してくださいました。出身地のお祭りや、小さい頃の思い出が蘇るような、どこか懐かしい、力強く心に残る演奏だと感じました。
最後に何を踊りたいか聞いたところ、「大館大文字踊り」が人気でした。うちわを再度手にし、講師2人も含め皆で円になって踊りました。皆さんが思い思いに曲に乗って楽しそうに踊る姿が見られ、楽しい時間となりました。今回の講座での体験を生かし、夏の祭り等で、自信を持って踊ってほしいと思います。

盆踊りを含む地域に根付くお祭りは、日本全国で、規模の縮小や開催自体が減少・中止になるなど、存続の危機を迎えています。伝統文化・芸能を継承、伝承することは、地域のコミュニティを広げ、地域の歴史や誇りを次世代につなげたり、地域の活性化や観光につなげるために必要なことだと感じます。大館学び大学での『盆踊り講座』がきっかけとなり、地元の良さを再発見し、それらを発信していく機会が増えれば嬉しいです。
⭐️受講者からの感想
・もっと多くの参加者に集まってもらいたい。今年は張り切って踊りに行きたい。
・4曲も学ぶ事ができ良かった。
・しばらくぶりでの盆踊りでしたが、見るより踊るのが楽しいと思いました。
・昔なつかしく楽しく踊れました。



