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講座レポート2026.09.04

大館で初めて マインドフルネス瞑想講座 〜自分と友達になる〜

 今回は、「大館で初めて マインドフルネス瞑想体験講座」と題し、メディテーション・ティーチャー 工藤章子さんを講師に迎え、マインドフルネス瞑想についての解説を受け、実際に瞑想体験をしました。

 比内出身で、昨年末関東から大館にUターンされた工藤さんは、地元でマインドフルネス瞑想を伝える活動を始めています。

 工藤さんはマインドフルネス瞑想をコロナの時から学び始めたそうです。受講者の中には、子育て講話の中で睡眠やストレス緩和にアプローチするための方法のひとつとしてマインドフルネス瞑想が紹介され、本やインターネット、テレビなどで目にし、自分で真似をしてやったことがあるという方も。約6割の方が言葉を知っていて、講座企画の際に初めて聞いた筆者はとても驚きました。

 “瞑想”と一口に言ってもやり方は色々あるそうで、理論に基づいて存在するものに限っても、1,200〜1,300種類程あるとのこと。“マインドフル”という言葉は直訳すると、心が満ちている状態のことを指し、マインドフルであるというのは、今自分がどこにいて、何をしているか分かっているということです。

 普段、新聞を読みながら、テレビを観ながら食事をしている人もいるかと思います。そんな時、味がしなかったり、食べた気がしないことはありませんか?心が何かに気を取られていると、見落としてしまう物事は沢山あります

 マインドフルネス瞑想を体験する前に、1粒のレーズンをマインドフルに味わう「マインドフルレーズン」を行いました。

  1. ⑴レーズンを手の平に乗せて、色、質感を上下左右からよく見てみる。
  2. ⑵指でつまみ、硬さ、温度、重さなどを感じてみる。
  3. ⑶口の中に入れて舌で触って、硬さ、質感を感じてみる。
  4. ⑷1回だけ噛み、味や、口の中にエキスが広がる様子を感じてみる。
  5. ⑸もう1度ひと噛み。
  6. ⑹最後に自分の早さでゆっくり噛んで飲み込む。喉を通る感覚を感じてみる。

 感想や普段と違ったかを聞いてみると、「いつもより味が強く感じた」「こんなに時間をかけて食べるのは初めて」という声が聞かれました。

 このように、本来は日常にも豊かな世界が広がっているはずですが、心と身体がシンクロしていないと、それらを見逃してしまいます『全部に気付いていく練習』として、マインドフルネス瞑想が必要だといいます。

 瞑想は、椅子に座って呼吸を意識し、[今]をフォーカスします。考え事が浮かんだり、何かに気をとられていることが分かったら、一度呼吸に意識を戻します。進め方とポイントを聞き、実際に体験しました。

【進め方】

  • 《ステップ①》席に着く
    これが一番大事、良い姿勢で座ることができれば、瞑想は8割できていると言っても過言ではない!疎かにせず、時間をかけてやりましょう。
  • 《ステップ②》呼吸に軽く注意を払う
    呼吸法ではないので注意。色々なことが起こっても、呼吸から意識が反れたことに気付くことが大切
  • 《ステップ③》頭をめぐる考え事に〔思考〕とラベルを貼る
    もう一度呼吸に意識を戻す。

【ポイント】

  • ・背もたれは使わず、真ん中辺りに座って、足は地面にしっかり着ける
  • ・頭は肩の上に乗せるイメージ、肩の力を抜き、手の平は下向きに
  • 目は開けて、3m〜4m先の床の上に、視線を落とす
  • ・ぼやかしたり、凝視したりはせず、1点を見つめる
  • ☆身体のどこにも力は入れない!ゼリーみたいに形はあるが、柔らかいイメージ

 始まりと終わりはお鈴(りん)を鳴らして合図をし、このステップ(②〜③)を5分間で繰り返し行います。厳かだけれど、ゆったりとした時間の流れを感じました。

 受講者に感想を聞くと、「暇な時間があるとすぐスマホを触ってしまい、身体を止めている時間がないことに気付いた」「いろいろな考えが巡ってしまい、頭の中はすごく忙しい」など、普段はやらないことに大きなギャップを感じたようです。現在はスマホやテレビなど気を紛らわす娯楽が沢山あるため、“こんなに頭が忙しいのか”と一番最初に気付きます。マインドフルネス瞑想は無になるのではなく、巻き込まれないための練習です。五感や感情は全てただの〔思考〕であり、どんなものでも受け止めるだけで、評価や判断はしないことが大切です。

 これは続けないと意味がなく、1回20分を週5日続けることがおすすめです。13分以下は効果が無いことがアメリカの研究で分かっているそうで、「歯磨きの後は時間が取れるな」など、習慣化してほしいと言います。

 工藤さんは夜寝られなくなった時にこの瞑想に出会い、漠然とした不安がなくなるのではと効果や期待を持って始めたそうですが、初めは2分も耐えられなかったそうです。瞑想する前とした後で違うことは、期待する効果を忘れていく、不安をなくしたいという強い思いがなくなるような感覚だったと言います。

【効果】

  • ❶明晰さ
    物事を明晰に(クリアに)見る⇒頭はこんなに忙しいんだ!
  • ❷強さ(回復力)
    今に戻る力(復元力)が付く⇒評価・判断はしない
  • ❸安定性
    感情の浮き沈みに振り回されず、心が安定する

 工藤さんは、瞑想をやるうちに知らない言葉が気になり、学ぶと理解が深まると背中を押され、メディテーション・ティーチャーの資格を取得したそうです。瞑想はチベット語で「Gom」と言い、“馴染む”、“慣れ親しむ”という意味です。自分はこういう人だなと自覚することが大切なのかなと感じました。人は不足感:自分はこういうところが悪い・駄目だと考えがちですが、本来は欠けたものは無く、皆良い存在であるため、自分を否定することは必要ないと言います。

 注意点として、1人でやり続けると自我が強くなってしまうなどのリスクもあり、自己流でやることは避けたいため、自分でやってみて出た疑問を聞いてみるという環境が必要のようです。受講者から、自分でやってみて合っているか確認したいという声も聞かれ、工藤さんは今後も大館市でマインドフルネス瞑想の活動を行う予定だそうなので、ぜひチェックして参加してみて下さい。

 今回のマインドフルネス瞑想講座は大館で初めて開催されました。座ることが基本であり、これを続けてやってこそ自分と友達になれるようです。現代社会では、SNSによる他人との比較などで、自己肯定感が低くなりやすい傾向にあります。マインドフルネス瞑想も日常に上手く取り入れられると、今ある豊かさに気付き、自分を大切にして、より生きやすくなるかもしれません。この講座をきっかけに、工藤さんのマインドフルネス瞑想を広げる活動が活発に行われ、ストレスケア等の地域事業での活用など、大館の地域活性化にも繋がってほしいです。

⭐️受講者からの感想

・日々忙しくしていると自覚しているが、マインドフルネスを体験してみて、心や体の間隔に隙間が出来た気がする。思考は色々できたが、整理をする余裕が出来た。また、良い姿勢をしてみると、身体の痛いところ疲れているところに気がついた。色々な気付きを有難う御座います。「今ここ」と、「地に足をつける」がリンクしているなと思いました。
・体感しないとなかなか自分を自分の中に戻すという理論は解りにくいと思います。なかなか、言葉だけでは理解できないと思います。
・普段いかに身体と心が離れているのかを実感する講座でした。“思考にレッテルを貼る”ただそれだけということが大切ということを今後さらに実際に体験する中で実感を深められたらと思いました。(雑念が多くて)